千葉県君津市久留里の
植樹地を確認しました。
高速のインターを降り、久留里駅に向かって
走っていると、災害派遣の自衛隊、他県ナン
バーの電力会社の車、高所作業車、パトカー、
消防車、給水車…とすれ違うことが多く、被
災地に入ったことを実感します。まだ斜めに
なったままの電柱、発電機で動いている信号、
市役所分所で給水を受ける方々、やっと電気
と水道が揃って、今日から営業を再開する、
というお店…など、メディアでも報道されて
いる町の様子が目の前に広がっていましたが、
ドングリの会が森づくりを行なっている
久留里の現場の様子はというと…
ここはどこ?いつも通っているゲート手前の林道です。写真の中央で
作業しているスタッフは林道の真ん中に立っています。
溝ぐされ病にかかっていたと思われるスギは幹の途中から折れています。
恐れていたほど、延々と続く倒木…という
わけではありませんでしたが、それでも
ゲート手前の林道を塞ぐ木は大小合わせて
20本ほど。例年、台風が来ると4〜5本の
倒木を片付けることはありますが、この数、
この太さ…の木はさすがに今回が初めてです。
ゲート近くには、何本かの太いスギが根を浮かせて倒れていました。
枯れた木も元気そうな木もほとんどが北に向かって倒れています。
ゲートに辿り着いた頃には、もうチェーンソーも諦めて、ひとまず、
どれだけ倒木があるのかの確認だけ、することにしました。
現場の斜面では、スギと一緒に伐採されずに
残った大きな木は太い幹の途中から折れてい
ました。自然に生えた木なので、根は十分に
張って持ちこたえたのでしょうが、立派な
樹冠が逆にあだとなり、もろに強風を受けて、
幹が途中から折れてしまったものと思われます。
そこまで大きく育っていない植えた苗も、
根から倒れたり、カミキリムシが出てきた
箇所からボキッと折れたり。
林道を塞ぐ大きなエノキ。自然に生えた木で、スギの人工林だった頃から
生えていたもの。スギが伐られ、周りにもたれ合う木がなくなり、
風速50m/秒近い風をひとりで受けたためと思われます。
カミキリムシにやられた箇所から折れた植樹したクヌギ。
カミキリムシに穴を開けられると、雪が積もっても折れ、
台風が来ても折れ…シカの食害と同様に死活的な問題。
台風という、ごくごく普通の自然サイクルの
ひとつ…ではありますが、それでも毎年毎年、
そばを通るたびに、大きくなったな、と声を
かけながら成長を見守ってきた木々が、幹を
割かれて折れているのを見るのは、それなり
の心的ダメージです。
幹の太さが親指よりもちょっと太いくらいの頃から見守って来たヤマザクラ。
ようやく春にはたくさんの花を咲かせるようになって来たのですが…残念至極。
幹が折れてしまった木でも、根は生きている
ので、根元から「ひこばえ」が出てくるとは
思いますが、幹巻きテープを巻けない細い
うちに、ほとんど鹿に食べられてしまうため、
復活するのは難しいかもしれません。
この秋は、倒木の片付けをしながら、
来春の補植の準備となりそうです。
台風で傾いた苗のそばでは、ハンミョウが捕まえたコオロギ?をモゴモゴと
食べていました。秋の陽に輝く極彩色。明日へのミチシルベ。